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2017-01-01 00:17

■ゴル←セシ ※15禁

■ゴル←セシ ※15禁※

皇帝は魔力を風に換え、それを自在に操り、宙を舞う。セシルの斬撃の悉くを避けて、間合いを詰めた。
騎士と皇帝。眼光を突き付け合うようにして、眼前にて顔を合わせる。

「ほう……こうして見れば、成る程、なかなかに美しい。奴が、ああも入れ込む訳だ」
「何を……!」

セシルが横薙ぎに振り切った刃を、皇帝は不敵に笑みすら浮かべて、ひらりとかわした。そうして、緩やかに地に降り立つ。
皇帝はさも可笑しいとばかりに大仰に笑い、肩を竦めた。

「ただのイミテーションと戦うのと同じように考えて貰っては困る。あんなもの、所詮は人のなりをしただけの、言わば人形だ」

そう口にしてから、ああ、まるでどこぞの”英雄”のような台詞であるな、と皇帝は苦笑する。
そして、ふと思い至ったというように、続けた。

「イミテーション共は、確かに姿形は本来のそれと瓜二つではあるが、そう、所詮は人形のようなものだ。だから皆、そのようにして扱う」

更に斬り掛かろうと足を踏み出したセシルに、皇帝は牽制として幾つかの魔力球を撃ち、その余力を帯びたままの杖を地に突き立てもして、陣を張って迫撃を阻む。

「木偶だ土くれだと手荒に扱う者も居れば、これはこれで愛らしい玩具だとして慈しむ者なども居る」
「……何が言いたい」
「貴様の兄は、その後者だな」
「……」

――兄、とそれを話題にしただけで、途端に騎士の顔色が変わる。

(何とまぁ、あからさまな……)

ふとした思い付きで垂らした釣り糸に、こうもあっさり引っ掛かってくれるとは。
意外とも案の定だとも感じて、好奇の思いに嘲りを混ぜ込め、皇帝は笑う。芝居じみた仕草で手をやって、セシルを指差した。

「そう、例えば、お前のイミテーションだ――大事な大事な弟と同じ顔、同じ姿の人形だ、さて、これ程に面白い物は他にあるまい。時にはその肌身に触れ、或いは近くへ抱き寄せもして、慰みにしているのやも」
「!!……」

セシルは銀の睫毛を跳ね上げて、怒鳴り付けようとでもしたのか、大きく口を割るが、ただそれだけで。何も言わず、声にすらせず、戦慄く唇を噛み締めた。
皇帝はそれらを横目にして、続ける――あれはどうしてか、魔人だなどとは名乗りながらも、人としての己に固執している。馬鹿らしいと言うか、ああ、ご苦労な事だ……。

「混沌の側に座しつつも、あくまで人であろうとするならば、ならばこそ闇に病み、ただ渇き……そうした渇欲の果てには、淫逸と愛欲に耽る日などもあろう」
「……」

兄への誹謗に息巻いても、セシルは動けず、棒立ちで居た。
何を馬鹿な、と切り捨ててしまえば良いのに、それが出来ない。皇帝は……この男は、一体何を言っている?セシルはどうしてか、何を思うにも躊躇をして、他の誰にでも無く己にその答えを問い掛けた。
何をも何も無い。皇帝は、他の何事でも無く、ゴルベーザの事を話しているのだ。

(……兄さん、が?)

兄の事、を。ゴルベーザは、セシルの本当の兄なのだ。ただ一人の兄。そう認めれば、それがどんなに荒唐無稽な話であれ、聞き流す事などは出来なかった。
皇帝の声と言葉は、まるで何かの呪文のようで、セシルの脳裏に呪詛のようにもして刻まれていく――兄と弟、魔人と騎士、ああ確かに、それはそれでお似合いではあるな?

「堂々と光の下に生きるお前への羨望ゆえにか、それともただ真摯にお前を愛するが為に、思い余っての事なのやら……」
「――――黙れ!!」

しかし何よりも、兄の心意を騙る皇帝への怒りが先に立ち、セシルは刃を突き出し、大きく吠えた。

「兄さんは、お前達とは違う!!」
「……これはこれは、言われたものだ。貴様は我々を、どういう風に見ているのだ……?」

まぁいい、と皇帝はまた笑う。

「混沌の淵でもがいていれば、手近にあるものに縋りたくもなる。貴様も、いざよう兄の苦悩は知っておろう?それを汲んでやれ」
「黙れ!!」

セシルは声高に繰り返し、光刃の切っ先を突き立てる――皇帝は杖を振るい、それらを軽くいなした。そこからくるりと跳ねて、皇帝は距離を取る。
歯噛みするセシルを遠目に眺め、ほう、と声を漏らして唇を吊り上げた。

「そんな顔も出来るのだな……猛々しい、好い顔だ。ああ、奴にもそうした顔を見せてやれば良い。気を引くくらいは出来るやも知れんぞ?」
「……っ!!」

セシルは駆け出し、皇帝へと迫る。
しかして皇帝は目線も合わせず息をつき、今日はこれまでとしようか、と添えて、短く呪文を唱えた。皇帝を取り巻く風が方式を換え、それらを軸として空間が歪み――刃が、ただ空を薙いだ。








セシルには、転移の魔法を扱う技術も、それを追い掛ける手段も無い。
戦場であった場所に一人取り残され、セシルは闘争の余韻とは別の思いにその身を震わせた。

(兄さん……)

ふと兄を想い、皇帝の言葉を思い出し――更に強く身震いする。思考が破裂したというような、そんな衝撃を覚えた。
触れなくても分かるくらいに、頬が熱い。身体が張り詰めて、眩暈がして、ぐるぐると頭の中が回る。

(……兄さんはそんな事をしない、する訳が無い)

自分は何処を見ているのか、何を見ているのか、視点すら見失いそうな中で、セシルはそれだけを考えた。
セシルは兄を想う。あの黒い甲冑を想う。彼のその立ち振る舞いには俗世離れした雰囲気があり、とてもじゃ無いが、そうしたそれとは印象が繋がらない。
そうだ。あの兄さんが、そんな――そんな事をする訳が無い。それも、選りに選って僕の人形で、だなんて。

(兄さんが、僕と同じ顔、同じ姿の人形なんかに……)

ああ。けれど、本当の兄であり弟であるとは言え、セシルはゴルベーザの事をよくは知らない。魔人とか毒虫だとかそうした異名では無い、本来の名前は何というのかすらも知らないのだ。
それでも、「兄さんはそんな事をしない」と、そう言い切れる。……それでも。

(兄さんが……『僕』に……)

どくどくと、激しく鼓動が跳ねる。赤い頬に汗が滲む。
もしも、本当に、兄さんが――それを考えてしまえば、セシルは沸き立つものをもう抑えられなかった。
鼓動の音が、耳を打つ。滲み出た汗が、頬の曲線を伝って流れ落ちる。舌を濡らした生唾を、ごくりと大きく飲み下した。








戦場であった場所で、その片隅に身を隠してうずくまる。
身体を屈めて、瓦礫に凭れて……自分は何をしようとしているんだろう。他人事のように、セシルはそう考える。
鎧の腰部の前垂れを外し、下衣の留め具を外し――冷えた外気に、寒気がした。けれど、それ以上に熱く込み上げるものがあり、その衝動を意識したら、下肢が切なく震えた。
鼓動や熱が尚更に高まる、殊更に高鳴る。前垂れを落とし、ベルトなども落として。それらを辺りに脱ぎ散らかして、跳ねる吐息に背を押されもして。
セシルは下衣の前をはだけて、自身の手でそこに触れた。

「……んっ」

思わず喘いで、己の声に頬を染める。誰がやって来るとも知れない、ただの瓦礫があるだけの屋外。そんな場所で、自分は、こんな――羞恥の思いを振り払うようにして、セシルは手の中で熱を持つ己のそれを上下に扱いた。
直ぐに返る、露骨な反応。つい鼻を鳴らして、甘く震えて。恥じるよりもその心地好さに浸り、加減をしては力を込める。
……兄は、どのように『僕』に触れるのだろう。セシルは自身を煽り立てながら、ゴルベーザのその手を思い浮かべた。重ね合わせて比べてみたという訳でも無いが、セシルの手よりも、兄のそれはずっと大きい。
兄さんは、あの大きな掌で、『僕』をどのようにして愛おしむのだろう?

「兄さ、ん……っ」

乞うようにして、セシルは兄を呼ぶ。兄が恋しい。彼が愛しいのだと、こんな時に気が付いた。
熱を帯びたものを強く擦り、先端へと抜いて、荒く息を継ぎながら、そうする事を繰り返した。ああ、違う。己でするのでは無くゴルベーザの手が『僕』を抱くのだと、セシルはそんな想像をする。
『僕』に触れ、『僕』を見て、あの人は何を思うのだろう。『僕』を好ましいと、愛しいと想ってくれるのだろうか。

(兄さんが、『僕』を――僕の人形を)

セシルと同じ顔、同じ姿をした人形。だが、それは結局、所詮はセシルの映し身で、セシル自身では無いのだ。そうと思えば、針を刺されたように胸が痛んだ。
ああ。でも、そんな事はいい。どうだって良いじゃないか、とセシルは意識のどこかで言い捨てた。身体が熱くて眼が眩んで、何もかもが遠くに感じられる。なのに、一つ所にだけ惹き付けられている。
兄さんの手は、どんな風に『僕』を……。そればかりを考えた。

「にい、さん……」

セシルは自身に掌を擦り付ける。ぬちゃぬちゃと糸を引く、嫌らしいその音が耳を毒した。
ゴルベーザの挙動を思い浮かべるだけでなく、彼に触れて欲しいと願う通りに手を動かし、息を切る。汗が、涙が目元に沁みて、入り混じっては顎へと流れて。

「……兄さん、兄さん……っ」

切なくて、セシルは身を捩って己を煽り、濡れた音を淫らに立てた。下肢の奥が甘く熱を孕み、その熱に膿む。前屈みになり、ただ快楽を追う自身を目で見詰めた。
ぞくぞくと悪寒が迫り上がり、背が痺れる。ああ。セシルの心は震える。求めて触れれば触れただけ、兄が恋しいというその想いが胸を締め付けた。
兄さん、兄さん……っ。ああ。セシルは想う。ゴルベーザに、恋焦がれた。



いつだったか、戦いの中で深く傷を負ったセシルを、ゴルベーザはいつものように苦言を呈するでも無く、ただ無言で支え、抱き上げては守ってくれた。
彼は白魔法を使えないので、結局はセシルが自分でケアルをして傷を癒したのだったが――朦朧とした中で触れた、彼の手を思い返した。安心しろと言うように、その手が頬を撫でてくれたのを思い出した。
……あの時は、それだけで幸福だと思えたのに。それだけで嬉しいと、そう感じられたのに。
触れるだけでは、足りなかった。ただ優しく触れてくれるだけでは、もう物足りなかった。



「兄さ、ん……」

セシルは濡れた瞳を瞬かせて、涙の粒を幾つも零して。その指先を後ろへと滑らせた。固く窄んだそこを、躊躇をして幾度か撫でて、息を呑む。
それを思ってはいけない、口にしてはいけない、してはいけない事だ――そう考えても、手は止まらなかった。

(……兄さんが、欲しい……!)

自身を掻き立てながら、セシルは兄を乞う。兄に焦がれる。息を切らしてゴルベーザを想い、そこへと指を入れた。
指先を中に押し付けるようにして内へと突き入れれば、ああ、自分の指であるのに、異物感に声が詰まる。吐息が濃く喉に絡むように感じられて、それを吐き出そうと荒く喘いだ。

「あっ、……っ!」

もっと確かなものが欲しいのに、巧くは出来ず、もどかしくて胸に苦みばかりが募る。自分の手では、とても満たせない。満たされない。
兄さんの手はもっと――きっと、優しい。それとも、ずっと荒々しい手管で僕を掻き抱くだろうか?
思い浮かべて、ぞくりと駆け抜けた甘い痺れに身を震わせた。セシルは己の熱に、乱れた呼吸に酷く咽ぶ。色濃く赤らんだ頬には、涙が伝って染みていく。
前のめりに腰を浮かして、挿し入れる指の数を一つ、また一つと増やして、勃ち起きたものを内からも圧して。そうまでしても、ただやる瀬無いという思いだけが増した。
ああ。兄さんのものは、もっと―――。

「……兄さん、兄さんが欲しい……よ……!」

あられもなく乱れて、浅ましくも口走る。そうしてまた言葉にしたら、歯止めをも失くしてしまった。
汗で肌に張り付くこの髪が邪魔で、けれど、それを払おうとする気さえ起きない。今、思い詰める事のみが総てで、それ以外のものなどもう念頭にも無い。

「にいさ、ん……!」

恋しい。胸が痛い。堪えかねて、セシルは軋む程に強く歯を噛み締める。
兄さん。兄さん。愛している、ああ、だから。欲しい、ただ欲しいのだと願い、叶わぬ想いを一心に擦り立てた。


「ッ…………!!」


ぎゅっと閉じた瞼の裏で、世界が白に爆ぜて散り、腰が蕩ける。
白濁を射ち出して下肢は震えて、奥底へ挿し入れた指を締め付けた。

「は…………あ、……」

指を抜き、腕を退いてそこへ垂らして、その場にへたり込む。セシルはただ肩で息をして、吐き出したものを拭いもせずに、息だけを継いだ。
ああ。目元に滲んだ涙が、沁みて痛い。どこか外れた眼差しで、セシルは汚れた手や足を見詰める。

戦場であった場所で、その片隅に身を隠して、うずくまり――自分の手で、自分を煽って、吐き出して。
恥ずかしくて、そしてとても惨めに思えた。兄に申し訳が無いとか、そんな事を考えるよりも、この手は兄のものでは無いという、そんな当たり前の事実がセシルには哀しかった。

のろのろと手を動かして、着崩した衣服を正す。散らかした装備を一つ一つ拾い上げる。胸が、酷く痛んだ。ああ、と呻いてセシルは深く息を吐く。
――当たり前の、そう、当たり前の話だ。兄さんがそんな事をする訳が無い。兄さんが、僕をそのように想う訳が無い。それが偽物だろうと何だろうと、僕に対して、彼がどうとも思う訳が無いのだ。
だって、僕達は兄弟で。兄弟だけど、お互いの事を殆ど知らない、そんな程度の関係。
そうだ。当たり前じゃないか、と口に出そうとしたら、その前にまた涙が零れた。

「……っ」

自嘲などをするより先に、それこそ哀しくなった。寂しくもなった。セシルは身を丸くして、膝を抱き、自分で自分を抱える。
汗とか、その生臭い臭いが、凄く馬鹿らしい。情けなくて、更に泣けて来る。
ふうっと吹いて抜けた風が、汗染みたセシルの髪を巻き上げた。散らばる銀糸を押さえもせず、セシルは己の膝に顔を埋める。
風は冷たい。吹き上げられて当たる砂塵が、肌身に痛い。
――ああ。兄さんの手に、この髪を撫でて欲しい。強く、そう願った。


「……兄さんの、馬鹿」


何だか悔しくもなって、今は何処に居るとも知れない兄に当て付けるように、セシルはそう呟いた。




<終>
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