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2017-01-01 20:09

■ガーゴル前提

■ガーゴル前提。兄さんが種付けされた件。


無秩序こそが本分だとは言え、常に無軌道に事を起こしている訳でも無い。
考えも無しに猛然と突っ込んで来るばかりなのはコスモス側の方で、カオスの側の面々は寧ろ慎重に思慮深く物事を選び、そして策を巡らすなどしていた。
それも、結局は各自の思惑(或いは各々の趣味や嗜好等)あってこその事ではあったが。
つまり実を言えば此方もまたばらばらであり、統制などはまるで無く、更にあちらとは違って思いやりだの譲り合いというものが此処にはごく少数の本当に希少な程度にしか存在せず、各々が「己の為だけに」思う通りに思う事をしている。
――これはひどい。統率役であるガーランドがそう呟くのを、ゴルベーザは何度か聞いた。

其方が先に勝手に手を出したから、此方の計画が台無しだ。どうしてくれる。
道化にそう食って掛かるのはクジャだ。軽く聞き流されているとは気付いているのか、それを知っているからこそなのか。目を怒らしては顔を顰めて、ケフカや其処に居会わせたエクスデスを相手に吠え立てている。
遅れてやって来たゴルベーザは、この騒ぎを頭痛のする思いで眺めた。
はっきり言えばどうでも良いが、諍いを見付けて放置は出来ない。そもそも、此処にこうして皆で集まったのは作戦会議をする為だった筈だ。それが、どうしてこうなった。
ゴルベーザはガーランドの気苦労というものを端的にながら理解して、今度あれと会った時には気遣いの言葉一つくらいは掛けてやろうかと考えて。
ともあれ騒ぎを止めるべく、彼等の間に割って入った。

「よさないか、クジャ」
「何だい?ゴルベーザ。君に用は無いんだけど」

邪魔立てをするなと、そう言っているのだろう。振り向いたクジャに睨まれて、ゴルベーザはただかぶりを振った。

「台無しだというのは、そなたの事だ。そうして大口を開けて唾を飛ばすな、折角見目は良いのに勿体無い」
「……髪だけで見間違えないでよね。僕は君の弟では無いよ?」

クジャの長い、銀色の髪。それは、確かにゴルベーザの実弟であるセシルの事を思わせた。だからこその、分かりやすい当て付けだ。そこでケフカがけらけらと笑い出したが、皆で無視する。
クジャはゴルベーザの鎧を一つ叩き、覗き込むようにして上目に見上げた。その様子にはもう棘は無い。そう揶揄のような事を投げはしたが、つまりは綺麗だと言われたのだ、悪い気はしない。

「――ゴルベーザ」

ふと床を蹴り、クジャは宙へと身を躍らせてゴルベーザに近い位置に浮かんだ。
クジャの手が、甲冑の胸元にそっと触れる。指先が鎧の模様をなぞる。

「少しばかり、言い方が悪いね。僕が綺麗なのは、見掛けだけじゃ無い」
「ああ、クジャよ。誘おうとしても無駄だ」

そこへエクスデスが口を挟んだ。

「そやつは戦い以外の事ではまるで腰抜け、受け身専門だ。どうしてからかっても、手など出さんぞ」
「ふぅん」
「おやおや」
「……おい」

言われて頷く、クジャにケフカ。当のゴルベーザを余所にして、ああそうなんだ、そうなんですねと笑っては言い合って。
笑い者にされたのだと気付けば腹も立つが、どういう反論をすればいいのかも分からない。変に関わりたくないという気もする。だが、一先ずこの場は収まった。ゴルベーザは、それで良しと思う事にする。
それから、ああ、それじゃあね、と早々に転移をして彼等は去って。
何の問答もせずに議題を残して、ゴルベーザとエクスデスのふたりだけを其処に残して。

「……あれやそれの事についての、話し合いは?」
「奴等には無断で取り決めて構わぬ、我等だけでやっておけ、という事だろう」

おい。ゴルベーザはもはや姿の無い彼等には呆れ、ファッファッファ、と笑って佇む大樹を横目にする。
兜の中で、何とも言えぬという顔をして――コスモスの側の生真面目さをゴルベーザは心底から羨ましく思った。



「皇帝の奴めが、何やら無駄口を叩いていたろう。その方法は華麗では無いだのと。そう反対をされて無駄足を踏むのは御免だぞ」
「ああ、そうだったな。だが、あれが言うのにいちいち構っていては、それもこれもが行き詰まるばかりだ。後に結果だけを伝えればいい」
「そうだな、全ての終着は無だ。それで問題も無いだろう」

問い掛け、答えて。
正直な所、ふたりにももう面倒だという思いがあり、ゴルベーザは「どうしてこいつは何もかもを『無』に繋げるのだろう何故そう結論付けるのだろう」と全く解せずにおり、とにかく早々に事を取り決めてしまおうと話を進めた。

「――私が、知る限りでの事だが」

ふと、ぽつりと。
粗方を決め終えた所で、そう言えば、とエクスデスは言った。

「ガーランドの奴は何と言うか、言い回しが無駄に古風だというか。更に言うなら、言葉遣いが年寄り臭いな」

何を唐突に、とは考えたが、言われた事にはゴルベーザも頷く。

「……ああ。まぁ、そうだな。あれだのそれだのと、奴はよく言うな。そういう所は確かに、うむ、年寄り臭いな」
「『あれ』だので片付けるのは、わざわざ言葉にして言うまでも無いという事なのだろうがな、その思い込みや無頓着さがまた年寄り臭い」

揃ってそれを連呼して。
これでは何か陰口を言っているようで、ゴルベーザはそれに気付き、話題を変えるべくエクスデスと目(?)を合わせた。

「貴様も、そういう風に言うな。あれだそれだ、と」

――そこで大樹がそう言うのだ。
ゴルベーザは兜の目元から見せる単眼を瞬かせる。

「……言っていた、か?」
「ああ、無意識になのだろうが、此方がこうして気が付く程度にはな」

いや、まさか、と幾らか唸り……どうしてだろう、とゴルベーザは低く漏らした。
己の癖には気付かないものだとは言うが、それにしてもそういう話し方をしていたような覚えは全く無い。そんな、それだけ無意識に?
奴の口調に染められたのだろう、とエクスデスが言い足した。どうして、とゴルベーザは繰り返す。

「貴様はまた、無駄言を。どうしても何もあるものか」
「どういう事だ?」

エクスデスは、ファファファ、と笑う。

「事が花開くまでには、それに至る経緯というものがある。さて、そして花が実を付ける為には何が必要だ?」
「それは、受粉を…………」

言いかけて、ゴルベーザは言い淀み、あ、いや、と更に語尾を乱した。
それは動物でいう所の、交尾の事だ。そうこうをして受精を、という、そういう。
朱に交われば、赤くなる、か――大樹の声だ。

「……人というのは、分かりやすいな。ゴルベーザよ、顔が赤いぞ」
「!!」

エクスデスがまた笑い、ゴルベーザは己の顔に手をやって。
兜をしている。顔色など分かる訳も無い。

「…………」

余計に頬が熱く灼けた。
ゴルベーザは猛者との事を思い出す。そうも染まる程に、自分は彼と、そんなにも、深く?
ああ、つまり種が根付いているのだな、とエクスデスの例の笑い声。

「こういう時には、御馳走様、とでも言えば良いのだったか?」

そう問われても、息が詰まるばかりで何も言えなかった。




<終>
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