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2017-01-01 22:57

■ガーゴル

■ガーゴル小話。
「はっ……」

荒い呼吸。立つ事も儘ならぬのだろう、崩れ落ちるようにしてそこにへたり込んだまま、ゴルベーザは動けずに居る。
『勝敗は決した』などとはとても言い難い、ただの痛み分けのような結果だ。ガーランドは己の負傷や此度の相方のゴルベーザの状態を見て、唸る。
コスモスの側の戦士達との交戦、その結果。あちらの方により大きな打撃を与えたという手応えはあるが、とどめを刺すには至らなかった。
今の今まで戦い、戦って、戦って、ガーランドもゴルベーザも酷く消耗をしている。逃げ出す彼らを追い掛けようと、そう動いたのは頭でだけだった。
ああ、しかしそんな有様でもその図体を見落とす訳が無い。隣のでかい黒が大きく傾き、その場に沈んだのを見た。ガーランドはそこで、やっと己でも自覚をした。疲れた、心底に。蹲るゴルベーザを窺う自分の方も、もう踏ん張るので精一杯だった。
――コスモスの連中は、強い。それは認める。だから、そういうものと戦って、一方的に勝ちを得ようなどとはおこがましい、とでも言うか――ああ。本当に、全く、くたびれていたのだ。好敵手達への称賛を、言い訳にした。

魔力は、魂や気力といったものに直結する、らしい。魔術への知識は浅いガーランドも、感覚的に何と無く、それを知っている。
辺りの残骸、破壊の末の瓦礫などを横目で眺めて――あれだけ、これだけ、魔法をどかどかと撃ちまくれば、まぁ、こうもなろう。へたれたゴルベーザに、ガーランドは思った。

「ゴルベーザ?」

要は、魔力を使い果たしたという事なのだろう。で、口を開くだけの元気があるか、それを確かめる意味でガーランドはゴルベーザに声を掛けた。
――ああ。低く、返事が来る。だがそれだけで、ゴルベーザは他には何も言わない。いや、言えない、のだろうか。

「……ポーションとか、エーテルだとかは?」

ぐったりとしているのを見て、考えて、更に問い掛けてみてももう返事は無い。暫く待つと、黒い兜が緩慢に横に振られた。
無い、か。それはそうか、そんな物があるなら、こう醜態を晒す前にとっくにそれを使っているだろう。ガーランドは頭の中で頷いて、続けた。

「拠点まで、飛べるか?」
「……」

また、ふるふると兜が左右に動く。

「なら、歩いて帰るか。悪いが支えてはやれんぞ、自分で立って、歩け」
「……」

ふるふる――駄々をこねる子供のようだ。
当然、本人にそんなつもりは無いのだろうが、ガーランドはそんな連想をして、ああ、何だろう、変に和んでしまった。
らしくも無い、腑抜けた気分。そういうガーランドが見る先の、いつもの仰々しい調子と態度は何処へやら完全に腰を抜かしている魔人。ああ。強気に振舞う余裕は、お互い無かった。
ガーランドはよろけないようにと注意をして歩き、ゴルベーザの直ぐ傍らへ来た。軽く屈んで、ゴルベーザのそのでかい肩当てを幾度か小突く。

「――そう情けない様を晒すな、口くらい利け、全く……ああ、分かった、なら肩を貸してやる。が、白状するがこっちも一杯一杯なのだ、お互いでお互いに互いを支えにして、歩いて帰る。それでいいな?」

正直、話をするのも億劫なくらいだったが、ガーランドは一息にそれを言った。
ややあってから、ゴルベーザの兜が上向く。例の単眼がガーランドを見詰めた。ゴルベーザは、起き上がろうとしたのだろうか?もぞもぞと身動ぎをして――何だ、と尋ねたガーランドへ、懐から何かを出して見せた。

「コテージが、ある」
「……」

ポーションは無い、エーテルも無い、だが、テントなども無いかどうかとは、言っていない。そなたも訊かなかったし――ゴルベーザは、そう言った。






そして、よがあけた。当然、拠点には朝帰りになった。

ゆうべはおたのしみでしたね、とそんな事を言って二人を出迎えた皇帝に、「ああ、煽られてついらしくも無く熱くなってしまってかなり無茶をしてしまってその挙句もう全く足腰が立たなくてそれはもうまいった、こいつはそれでも声を出せだのと言うし」などと主語無しで答えたゴルベーザを止めよう遮ろうとガーランドが割り込もうとして何だどうしたという騒ぎになり――そういう光景をそこで眺めて、ああ、本当に仲睦まじい事だな、と皮肉と揶揄を一杯に皇帝はまた言ったという。






<終>
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