2017-01-01 00:00

■毒電波なカイセシ(カイゴル描写あり)

■毒電波なカイセシ。みんなセシルのことがすき。派生的にカイゴル描写も少し。

――妙な奴だ。
けど、悪い奴ではない。

それが、カインにとっての『セシル』であり、カインからした彼への評価だった。
セシルは、とても不思議な奴だった。カインは思う。
銀髪が珍しいという事もある。女のような顔立ちが目を惹くという事もある。
そうした見掛けだけではなく、彼が醸し出す雰囲気とか、どこか気の抜けた言動とか、とにかくセシルはカインの気を引いた。
セシルはカインにとって、目の離せない存在だった。彼という人を知るうち、彼の性質とか人柄とかいうものに好感を抱くに至り、やがては心惹かれたのだろうと、今はどうにか理解した。
……俺はいかれてしまったのかと、本気で悩んだ時期もあった。それくらいセシルに夢中だった。
カインは、セシルを思う。ただセシルを想う。
ああ、そうだ。俺はセシルの事が好きだ。だから、だからか――だから俺は、こんな事を。

「……セシル」
「ん……っ」

カインは居並ぶセシルを引き寄せ、捕まえて、ただ当たり前の事のように唇を重ねていた。
嫌がるようなそぶりは無い。幾度か瞬き、カインを見詰めて――頬を染めて、セシルはすいと瞼を伏せた。
それは許しだと解釈して、調子付いて思い切り、カインは身を躍らせては覆い掛かってセシルをシーツに沈める。

二人の重みで、寝台が跳ねる。
セシルの髪が跳ねる。
鼓動が跳ねる。

あっ、と鳴いては目を見張った彼へと食い付くように口付けて、シャツの襟元に手を掛けた。
白い肌が露になる。触れれば震えて、彼はか細くまた鳴いた。

「セシル」
「……カイン」

呼んで呼ばれて、口付け合った。
仰向くセシルへ覆い被さり、幾度も幾度も唇を奪う。舌を挿し入れ、舌を舐めて、唾液を交わしては飲ませた。
口と口とを線が繋ぎ、それを舐め取ってはキスをする。濡れた音が直に聴こえる。濡れた声が、耳に届く。
キスをして、キスをして、それをしながらセシルの身体をまさぐり、下肢を押し付けた。

「セシル」

口先をセシルの耳朶へやり、赤らむそこを噛んでは話し掛ける。
したい、お前の中に入りたい。カインは明け透けにそう訴えて、やがて頷いたセシルに二桁目のキスをした。
指だけじゃ足りないだろ?わざと下品に言って煽って、ああ、足りてないのは俺の方だと考えもする。
ベッドに散らばる銀糸を掬っては、彼の髪を頭を撫でた。
セシルの事を、見下ろしていたい。カインより一つ下の幼馴染み。彼が、カインを見上げて来る。それをいつも得意に思った。
だから、このままで居れたならと願う。ずっと、このまま。このままで。

「あ、っああ……ッ!」

セシルの声だ。カインに押し入られては喘ぐ、彼のその声。
繋がる事での快楽とはまた違う、ぞくぞくとする心地好さを胸で感じる。もっと泣いてみせろと笑っては、セシルの中を突き上げた。
待って、やめて、とセシルが言うのをまるで無視して、待ちもせずに肉を埋める。

「はっ……やっ…、やだ、カイン…ッ!」
「嫌、じゃないだろ?」

ほら、お前のここも、こんなになっているじゃないか――勃っては濡れたセシルのそれを、無造作に掴んで手荒に抜いた。
カインの手中で脈打つ、雄の器官。ああ、こいつも男なんだな、と思い知り、同性である彼を抱く自分を奇妙に思った。
セシルはカインを受け入れて、自身を震わせ、声を上げて泣きじゃくる。
それはとても不思議な光景で、それがとても扇情的で――綺麗だ、可愛い、なんて言ってやるのは癪だからと、カインはセシルの媚態を笑い、お前のここは最高だと下卑た調子で褒め称えた。
それがカインなりの告白だった。好い、最高だ、あいしてる。囃す中に、本音を混ぜた。
お前はどうだとカインが問えば、セシルは答える。カインのものを気持ちがいいと、カインの事が好きだ、大好きだと涙声で言った。

吐き出したものでどろどろになり、それすら楽しくもなり、カインはセシルにキスをする。セシルのそこに突き立てる。彼の肌身を噛んで、涙を舐めた。
カインはセシルの事が好きだった。
優しい彼が好きだった。こういう彼が好きだった。とてもとても、愛していた。
だから、彼とはずっと、このままで居たい。そう思い、月に願った。




+++




セシルとは、どういう男なのか。あれとお前はどういう間柄なのか、と。
ふとした疑問だ。大した気もなくカインへそれを問い掛けて、そして当人の口から聞いた露骨なやり取りには、さしものゴルベーザも驚いた。

「お前はあれを抱いたのか」
「はい」
「あれはお前に抱かれたのか」
「はい」

座れとも何とも命じていないので、カインはそこに立ったままでいる。
兜から覗くその瞳が、ゴルベーザの黒を映した。

「貴方からは、セシルと同じ匂いがする」
「……暗黒の?」
「いえ、そうじゃない。そうではなくて……同じなんだ」
「また妙な事を……。どうかしたか、血迷ったか?」
「そうかも知れない」

動くなとも言っていない。
カインは足を踏み出し、座したゴルベーザの前まで来る。

「ああ。貴方の髪は、セシルと同じ色だ」
「そうなのか」
「貴方の瞳の色も、セシルと同じだ」
「そう、なのか」

寄り縋るカインに、ゴルベーザは苦笑する。

「お前は、親友の色に欲情するのか?」
「……色欲、と言うじゃないですか」
「ああ、成程」

……今度はカインが驚いた。
己でそれを言っておいて何だが、こんな馬鹿な話にゴルベーザは納得したらしい。
彼は時々おかしい。それが、可笑しい。
二人して笑い、二人は互いとは別の彼を思い浮かべる。そこにあるものとは別の体温を思う。

「……あれは、私と同じ色をしているのか」

そうする中で、ぽつりと不意に、ゴルベーザが呟いた。
カインは顔を振り上げ、それを言った主を窺う。耳にした音を思い返し、まさか、と呆然と口にして、

「貴方も、セシルの事を……?」

――忽ちに顔を歪め、歯で歯を噛んで、かぶりを振った。
セシルと同じ色の瞳を見詰め、目に目を突き付けるようにしては睨む。

「……何故だ」

ゴルベーザを見て、その目の色を見て。カインは尋ね、吐き捨てた。

「ああ……、どいつもこいつも、あいつの事ばかりだ。どうして、何で皆、セシルの奴を……!!」
「……」

どうして。どうしてだ、どうして。繰り返し繰り返し、カインは問い掛ける。見据える瞳と、同じ目をした彼とを責めた。
喚いては取り乱す配下を眺め、ゴルベーザは同じであるらしい色を思い浮かべる。これとあれとの場に居合わせて、そこで垣間見た絆を思い起こす。
ファブールのクリスタルルーム、対峙する騎士と騎士、黒を見下ろし睨む青、青を見上げては乞う黒――

「……奴が見ているのは、恐らくお前の事だ」
「……」
「奴に愛され、奴を愛して、それでもお前は満たされないのか?」

カインは眼前の色を見据えたまま、やがて堪えかねたというように笑い出し、落とした肩を震わせた。

「俺は、あいつを見守る全てを、俺以外の全部を、あいつから奪ってやりたいんだ」
「……独占欲、とやらか。ひとの事を言えた身でも無いが、大した狂気だ」
「俺は正気ですよ」

顔を寄せ、身を寄せて。
カインは同じ色の髪に口付ける。同じ輝きを目に映す。仰向くあの瞳を思い出し、カインは彼への想いを呼び起こした。
月に願う。彼を想う。そうしてカインは笑って笑い、銀を梳いては抱き締める。
セシル。セシル。ああ、セシル、と重ねて彼の名を想った。

「正気のままで、こんな事を思っている」




<終>
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