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2017-01-01 23:42

■ガーゴル二人パーティ冒険中

■ガーゴル。二人パーティ冒険中。

状態異常:ちんもく。

声を出せないゴルベーザがそれを身振り手振りで説明している、というそのつもりであるようだが、如何にも物々しい厳つい甲冑のこの作りなどが悪いのか、何か物騒な意味の合図を送っているように見える。
ガーランドはそういう事は黙っておいて、だから二人で黙り込んで並んでいた。
どうしたものか、と考えていたのもある。気遣うような言葉を掛けてやろうかと思ったが柄でも無いなと考えたのもある。

「……」

ガーランドもゴルベーザも白魔法を使えない、山彦草や万能薬も持っていない。
無用心だと言えばそうだが、ガーランドは魔法を封じられようが構わないし、それ以上の状態異常を受けてもそれならそれでそれまでの事だと考えていた。そうなるのが悪い、そうなったら終わり。簡単な線引きをしていた。
ゴルベーザは、そもそも自分の体調に目を向けない。死ななければいい、などと言う。死んでもいいとすら思っているのかも知れない。だが、死にたがりだという程でも無い。ガーランドは、ゴルベーザが何が楽しくて生きているのか分かっていない。
だから、ゴルベーザもガーランドも、回復アイテムなど最低限にしか持ち歩いていない。両者共に、逃げ道を作るのが嫌だ、という思いもあった。その考え方の発端や理由は、きっとまるで違うものなのだろう。しかし同じ思い方をしているという事は、少なからずの仲間意識を生んだ。
嫌いな奴では無い。という、そういう。

「……」

うん。もうモンスターは片付けたが、一応辺りを念入りに見渡して。ガーランドはゴルベーザを庇う形で、黒い甲冑の胴回りに腕を回した。






この世界にもチョコボなどは居るし、魔物も居る。
大抵、魔物というものは気が荒い。野良のそれと出くわせば殆どの場合、戦う事になる。
明確な立場と役目を与えられている混沌と調和の戦士達も、やる事と言えば戦う事なので、モンスター達と自分達とに大した違いは無いかも知れない。だからゴルベーザは今日も特別の区別も無く、いつものように戦って――ああ。しまった、と思わず漏らした、しかしその音は出て来なかった。

「……」

声が出ない。大口を開けようがどうしようが口を利けない、これでは呪文を唱えられない。それをしたモンスターは既に倒したが(同行していたガーランドがだ)、そうして解除される類の異常では無いようだ。
手で印を切り、呪文は無しで魔法を撃てるかを試してみるが、勿論出来る訳が無い。炎も雷も何も出ない。
ゴルベーザは、仕方ない、と早々に覚悟を決めた。単に、諦めたのだ。
そろそろ日が暮れる、拠点は遠い。周りには瓦礫や薙ぎ倒した木々や魔物の山ばかり。そういう残骸の中にゴルベーザは居る。
魔法を使えない魔道士など、足を引っ張るだけで殆ど何の役にも立てない。捨て置かれて妥当だ、邪魔立てをしてしまうのも気持ちが悪いし、当然見捨てられるだろうとそう思い、さて、それで独りでどうしようかとゴルベーザは考えた。
助けて貰うとか助けてくれるとか、そんな事は思いもしなかった。






だからゴルベーザは驚いた。いきなり腕を引っ掛けられて、そら、帰るぞ、などと言われて。

「……!」
「おい、こら、気を付けろ。変に動くと貴様の鎧のツノが、こっちに当たる」

支えるようにして抱かれて、こうして抱えて守る形で行こうという事なのだろう、ガーランドはゴルベーザを抱えて引き摺って歩き出す。

「!!……!」
「だから、暴れるなと……喋れぬくせにうるさい奴だな、ああ、別に貴様一人くらい抱えたままで戦える」

背中に庇うとか見守るとか、そんなのは面倒臭いしな。こういう方が分かりやすいし簡単だ――ガーランドは適当に答えて、倒した魔物が寝ているのを大股に蹴散らして歩いて行く。
ゴルベーザは、ガーランドを声で呼び止める事の代わりにその鎧を叩いた。

「何だ、余計なお世話だとかそう言いたいのか?意地を張るな、それで野垂れ死になんぞされたら気持ちが悪い」

ああ。ガーランドは言う。

「要は、貴様を助けてやりたいのだ、こんな時のこういう事くらい素直に従え!」

突っ撥ねるように、突き付けるように。

「……」
「おい?ゴルベーザ?――聞いているのか?返事が出来ないのは分かるが、何か反応くらいしろ。喋れないだけでなく、まさか耳までやられたのか?おい、ゴルベーザ?」

ゴルベーザは本当に、酷く驚いた――助ける、と。共に帰ろう、というただの気安いその言葉に、本当に驚いたのだ。
がっしゃがっしゃと喚く鎧二人分の騒音。ガーランドの、逞しい腕。でかい声。彼の言葉。ああ、魂消てしまって、どぎまぎとしてしまうくらいに。

















(何だ。急に大人しくなって……ああ、いいや、恥ずかしいのだとかか?それはまぁ、そりゃあそうだろうが、こう露骨に、そうされると――くそっ、ああ、こちらまで何か、照れ臭くなるじゃないか……)




<終>
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