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2017-01-03 00:08

■カイセシVSゴルセシ騎士と姫と魔人パラレル ※18禁

■カイセシVSゴルセシ。騎士と姫と魔人パラレル。※18禁※

魔人の元から救い出した姫君は、目覚めるなり言った。

「――兄さんは?」

手を付いて起き上がり、カインを見て、周りを見て、彼は首を傾げる。
本当に不思議そうな、呆けた表情。寝起きで散り乱れた銀色の髪。起き抜けの、赤らんだ頬。
ああ、すまない、お前の兄さんは、俺が殺してやった――なんて答えたなら、彼はどうするだろう?




恐ろしい魔人が住むという、塔。

『奴の魔法はどんなものをも砕いて壊す』
『どんなものをもその魔力で従えて、操るのだ』

旅の竜騎士はそれらの噂を物ともせずに、人々を脅かす魔人のその塔を目指した。
供も無く、ただ槍を携え、腕試しとか度胸試しだとかそういう思いで。己を高める為の旅路だ。修練を積むべく、強敵に挑む。

そういう覚悟を揺るがしたのは、その銀色だ。

塔の一角、そこだけやけに厳重に、奇妙に目立つ部屋があった。
豪華で豪奢で、綺麗な扉。縦から横に無数に並ぶ錠前。塔の単調で冷淡な造りとはまるで場違いに、何だか不思議で――狂気を感じた。
連想をしたのは、宝石箱。おもちゃ箱。それと、牢獄か監獄か。全く反した印象を抱く。
塔の主は『魔人』だなどと大層な呼ばれ方をしているが、その実は、そう人外めいた変人だという話なのかも知れない。ろくでもない趣向の持ち主だとか。ここはその遊び場だとか――そういう変態野郎にとっての『大事なもの』が、ここには閉じ込められているのだろうか。
何だろう、という好奇の思いと、見たくも無いものを見る羽目になるのではという嫌な予感と。関心と恐れが、自棄糞めいた衝動になる。
竜騎士は――鍵開けの技術などは無いのだ、錠前などは打ち壊して、蹴破るように扉を開けて、銀色を見付けた。

部屋の中も、やはり豪華で、歪だった。
豪勢な絨毯の上で丸まって、まるで猫か何かのようだ、その人はそこで寝こけている。
長い銀髪。白い肌。その手足に繋がる、無骨な鎖。
目を閉じて、深く眠っているが、そのままでも良く分かる。美しい人だった。ただ青白い肌は少しばかり病的で、ああ、だから、その身を縛る拘束具が痛々しい。
噂の魔人にかどわかされた、囚われの姫君か?可哀想に。
同情が、目を眩ませたのか。退廃的な美貌に釘付けになり、心奪われていた。先程にはあれだけ警戒をした異常な雰囲気に、もう気を向ける事すらしない。目に映るのは、眠り姫と部屋を繋ぐ鎖と。
こう乱暴に封印を破ったのだ、直ぐに気付いて、塔の主がやって来るかも知れない。
足枷に槍を向ける。迷う事も無い。
竜騎士は、魔人の塔から眠り姫を連れ出した。




セシル、という名前らしい。
俺はカインだ。竜騎士が名乗れば、そう、カイン――興味があるのか無いのか、セシルは名前を口で繰り返して、ただ頷いた。
きょろきょろと頻りに視線を巡らせて辺りを見回し、兄とやらを探すセシル。
兄さん、ってのは何だ。どういう事だ。嫌な予感がして、つい反射的に、カインは少し意味が足りない形で質問をした。一応、それで通じたらしい。兄さんだよ、ゴルベーザ兄さん。僕の兄さんだ。セシルは答える。
――ゴルベーザ。話に聞いた、魔人の名前そのままだ。『毒虫』なんて意味の名を、好んで名乗るような者はそう居まい。
野っ原の草の上で呆けている姫君は、言葉に詰まる騎士を前に首を傾げるのだ。

「カイン。ここは、何処?兄さんは?」

本当に、お前の兄貴なんかもう居ないんだよ、と言ってやりたかった。
救いの騎士には目もくれず、兄は何処だと問うばかりの彼。
実際には、どうにか逃げ隠れては連れ出したという、ただ必死で、倒すだの以前に、交戦をしたしない所の話では無かったが。

カインはゴルベーザとは出くわさなかった。
もしも出会っていたとして、戦って勝てたかどうかは、分からない。セシルを抱えていたという事もあるし、セシルを連れたカインをゴルベーザは決して許しはしないだろうと、そう思った。
酷く物々しく頑丈な扉を思い返して、カインは考えた。実弟なのかどうかは知らないが、兄だ弟だという関係の相手を厳重に縛り付けて閉じ込めておくなんて、ろくな奴では無い。
不意に吹き抜けた風の中、セシルは身を震わせた。あの部屋に居たそのまま、セシルは薄く簡素な部屋着のままだ。それで外気が障るのだろうか。

「寒いか?」
「怖い」
「どうして」
「外は怖い所だから行ってはいけない、と。いつも、兄さんが」
「……」

己の腕で己を抱いて、セシルはやはり兄を探した。
セシルの銀の髪は珍しい、そういう珍奇なものは良くも悪くも人目を惹く。だが、それにしても度外れだった。鎖を巻いて鍵を掛けて閉じ込めるなんて、過剰だというよりいかれている。それだけ大事だから、か?無茶苦茶だ。
ああ。そういう野郎にこのセシルを渡したくは無い。正義感や道徳観より、もっと根底的な――生理的な嫌悪感で、カインはただ単純にそう思う。

それだけでも無い。一目惚れをしたのだ。カインは、このセシルに。

魔人の元より助け出された銀の姫は、しかし救いの騎士を顧みる事もしない。差し出された手に気付きもしない。振り向いてはくれない。
輝石のようなその瞳は、ただ無邪気に兄を探す。白い手指は、兄を乞う。その仕草が、カインには酷く危うく――艶めいたものに見えた。

「……っ」

不安。強迫観念。カインを見もしないセシル。ああ。息苦しさと、腹の中が焼けるような感じがして、カインは大きくかぶりを振った。
じわじわと湧き上がる不快感。運命というものに、嘲笑われているような気分になる。いや、違う、救いの手を貶めたのは――裏切ったのは、他でも無い、カインの目の前に転がっている、この身体だ。

「セシル」
「えっ……?」

ああ、だいじょうぶだ、おれはしょうきにもどった!セシルの肩に手を掛け、唇に食い付いた。柔らかな感触。竦んだ身体。その唇はとても甘い感じがして、カインは半ば陶然となる。
セシルを腕に抱き込んで、その肌身に顔を埋めた。やっ……嫌だ、やめて――眠り姫が、腕力で騎士に敵う訳など無い。円やかな白磁の肌に口付けの痕を残して、カインは姫に愛を告げた。



愛しい姫様、貴方を救いに上がりました。
貴方は、憎き魔人に囚われておられたのだ。ああ、なんとおぞましい。お可哀想に――御身を縛る鎖など、我が槍で、断ち切って差し上げましょう……。



「あっ……やだ、嫌だ!……やめ、て……っ」

あんな豪華な部屋なんかでは無い。ただの野外の、土臭い草むらの中でカインはセシルを暴いていく。
手枷を解かれたその手を取って、掬い上げて愛おしむ。
無茶苦茶な呼吸の合間に、たどたどしく紡がれる必死の哀願。やめて。嫌だ。兄さん。助けて、にいさん――。

「――――どうして」

カインへの応えは無い。けれど次第に、嗚咽が艶を帯びる。
愛欲の悦びを知っている身体。たゆたうセシル。彼を抱くカインの脳裏に浮かぶのは鎖。彼に繋がるそれ。兄に愛された、姫君。という事実。
それを、槍で打ち壊していく感覚。がむしゃらに、無茶苦茶に白銀を舐るカイン。



(嗚呼。涙の味がした)
(ああ、全部、塗り潰してしまいたい!)




中で吐き出して、カインは震えた。
狭まる中の、ぬかるむ感触。濡れた身体。充足感と、尚更に募る暗い気持ち。重みや痛みを胸の奥に感じて、カインは呻く。

「『兄さん』は、お前を閉じ込めていたんだぞ。そんなものは愛情じゃない……」

縋るようにしてまた触れて、セシルを見詰めた。荒い息を混ぜ合わせて。
――ああ、そうだ。カインは続ける。

「あいつは、そういう魔法使いだ。術で人を惑わして、操るんだ。だから、きっと、お前も……」
「兄さんは、そんな事をしない」

……意思を持った眼が、カインを睨んだ。
ううん。汗染みた銀髪が、揺れる。もしも、兄さんが僕にそういう魔法を掛けたのだとしても、そうして僕を閉じ込めたのだとしても――セシルは言う。大事な物でも抱えるような、そんな仕草をして、にこりと笑って。


「――それも、兄さんと僕の絆だよ」


ああ。彼は、本当に幸せそうに、そうして。




<続>
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